この宗教は
法相宗(ほうそうしゅう・ほっそうしゅう)
奈良時代に遣唐使となって唐にわたった僧によって広められました。
インドに由来する唯識教学(唯識宗教)を研究する仏教で、南都六宗のひとつでもある仏教です。
奈良時代に遣唐使によって唐から持ち帰られた仏教(南都六宗)は、学問としての要素が強く、葬儀などを行う決まりごとがありません。南都六宗には、法相宗、華厳宗、律宗、三論宗、 成実宗、倶舎宗の 6 つを指します。
宗祖は
慈恩大師窺基、基、窺基
興福寺・薬師寺などが本山です。
奈良時代には法隆寺などでも学問として学ばれました。
本尊は
弥勒菩薩を中心に、インド、中国、日本の法相宗の師を描いた曼荼羅(唯識曼荼羅)
法相宗では弥勒菩薩を信仰します
読まれるお経や題目は
「瑜伽師地論」「成唯識論」などが経典です。
唱えるのは
特に決まっていません。お経を読む際には般若心教などが読まれます。
お焼香のやり方
奈良時代の仏教は学問としての要素が強いため、法相宗でも一般的に葬儀は行われません。
よって、これと決まったお焼香のマナーもありません。
特徴
法相宗は別名「唯識宗」とも呼ばれる宗派です。
唯識(ゆいしき)教学とは、世のすべては「識」で成り立っている、というもの。
どのようなことがらも、ただ(唯)、それを感じている本人の意識(識)が生み出しているものであるという考え方です。
ひとつの出来事も、見方や立場を変えれば意味合いが変わるし、受け取り方も人それぞれ。
なので、識そのものは人によって異なるし、識そのものも、曖昧ではっきりしないもので…
そういった曖昧さや矛盾も含めて、自分の存在のあり方を考えて学ぶ学問要素の強い仏教で、修行を積み重ねることで成仏ができるという考え方をするのが法相宗です。